行政書士
中尾生馬
自分が生まれ育った街で、地域密着の行政書士事務所を目指し、自分と、息子が通った「とまと保育園」の名前から、事務所名を「とまと行政書士事務所」にする。
市民から親しまれる存在となるべく、消防吏員時代の経験も活かしながら市民の生命と財産を守り、生活の安心と安全を支える人のサポートに命を懸けている。
Contents
[介護タクシー]
「介護タクシーを始めたい」
「できれば介護保険を使える形にしたい」
こうした相談は年々増えています。
特に高齢化が進む北海道では、
通院・外出支援を担う介護タクシーの役割はますます重要です。
ただし――
介護保険タクシーは
思いつきで始められる事業ではありません。
なぜならこの事業は、
介護保険法
道路運送法
2つの法律が同時に関係する、かなりクセの強い分野だからです。
目次
まず大前提です。
介護保険が使える介護タクシーは、
「タクシー業」ではなく「介護事業」に近いです。
介護保険法上の位置づけは、
訪問介護(居宅サービス)
└ 通院等乗降介助
つまり、
ここを理解せずに進むと、
ほぼ確実に途中で詰みます。
非常に多い誤解がこれです。
「福祉タクシーの許可があれば
介護保険も使えるんですよね?」
答えは NO。
これらはすべて
介護保険とは無関係です。
介護保険を使うには、
介護保険法に基づく指定が必要になります。
介護保険は
税金と保険料で運営される制度です。
そのため、
が整っているかを
事前に自治体が厳しくチェックします。
このチェックをクリアし、
「訪問介護事業所として適正」
と認められるための手続きが
指定申請です。
👉 介護保険タクシー
= 訪問介護事業所の指定が前提
ここは誤解されやすいので注意すべきポイントをご紹介します。
まず、障害者福祉サービスは行政書士が手続きを代行できるのですが介護保険法に基づく指定申請は行政書士ではできません。
👉 社会保険労務士の業務領域
行政書士が
介護保険の指定申請そのものを行うことはできません。
一方で、
といった
周辺・関連手続は
行政書士が深く関与します。
法人設立は司法書士、介護保険法に基づく指定申請は社労士、介護タクシーの許可は行政書士という形でわかれていきます。
そのため実務では
司法書士+社労士+行政書士の連携が非常に重要です。
行政書士が窓口として各専門家と一緒に動くことでスムーズな手続きと法令に順守した事業展開が行えます。
ここからが
介護保険適用タクシー特有の実務ポイントです。
簡単に言うと、
すでに一般乗用旅客自動車運送事業
(タクシー事業)の許可を持つ会社に
「所属する形」で車両を運行する仕組み
です。
一番のポイントは、自家用車を介護タクシーとして運行できるということです。
本来、介護タクシーを運転するには二種免許を有している必要があります。しかし、このぶらさがり許可ならば1名だけが二種免許を有すれば他の方は二種免許は不要となります。(もちろん普通免許は必要です)
すなわち、一名が二種免許を有すればよく、他の従業者は二種免許をもたなくてもよくなる許可形態をぶらさがり許可と呼んでいます。
しかし、何台でも可能なわけではなく5台以上になると運行管理者という資格が必要になるなど要件が厳格化されますので注意が必要です。
介護保険タクシーは、
という特徴があります。
そのため、介護タクシーの許可を取得!
という選択肢が
現実的かつ合理的なケースも多いのです。
👉 特に集客や差別化が大切な開業初期では有効
ここが見落とされがちな落とし穴として先ほどの「5台」に関して説明します。
道路運送法上、
が原則必要になります。
つまり、
「介護がメインだから大丈夫」
「小規模だから関係ない」
とは言えなくなるのです。
成長した途端にブレーキがかかる
これは本当によくあります。
介護保険タクシーは、
両方を同時に見据えて
最初から設計しないと危険です。
これを曖昧にしたまま始めると、
あとから修正がききません。
最後に結論です。
介護タクシーは
「始めることも続ける方も難しい事業」です。
だからこそ、
最初の設計段階から専門家を入れることが最大のリスクヘッジになります。
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