行政書士
中尾生馬
自分が生まれ育った街で、地域密着の行政書士事務所を目指し、自分と、息子が通った「とまと保育園」の名前から、事務所名を「とまと行政書士事務所」にする。
市民から親しまれる存在となるべく、消防吏員時代の経験も活かしながら市民の生命と財産を守り、生活の安心と安全を支える人のサポートに命を懸けている。
Contents
[民泊]
「民泊を始めようと思ったら、
消防から着工届を出してくださいと言われた」
「工事はもう終わっているのに、
設置届が出ていないと使用開始できませんと言われた」
札幌市をはじめ、北海道内で民泊の相談を受けていると、
着工届と設置届をめぐる混乱は非常に多く見られます。
しかもこの問題、
単なる知識不足ではなく、
条例や行政運用の違いが絡むため、経験者でも迷いやすいのが実情です。
この記事では、
着工届・設置届の基本的な違い
本来の正しい手続きの流れ
着工届が不要になるケース
札幌市などで「使用開始の考え方」が違う理由
を、民泊実務の視点で整理していきます。
目次
まず押さえておきたいのが、
この2つは似ているようで役割が全く違うという点です。
つまり、
👉 工事が前提の書類です。
👉 工事後の報告が設置届です。
この2つを混同すると、
「なぜ今これが必要なのか分からない」という状態に陥ります。
設置届の後は防火対象物使用開始届が必要となりますが、設置届で代用が可能な自治体もあります。
民泊で、
消防設備の工事が必要になる場合の基本的な流れは次のとおりです。
この流れ自体は間違いではありません。
しかし、すべての民泊がこの流れになるわけではないことが重要です。
結論から言うと、
必ずしも着工届を提出する必要はありません。
この場合、
工事が発生しないため、着工届を出す理由がありません。
特に注目すべきは消防設備士による工事が必要かどうかで着工届が必要か変わってきます。
また、工事が軽微な工事に該当する場合も着工届は不要ですが設備士や専門家でなければ判断は難しいのが現実です。
この場合も、
「これから工事を始める」わけではないため、
着工届は原則不要です。
ここが、民泊特有のややこしいポイントです。
札幌市など都市部でも区ごとに取扱いが異なったり、地方でもローカルルールが存在したりするためこの点がとても厄介です。
などの理由から、
法律上は不要でも提出を求められる運用が行われることがあります。
ただし、
運用はあくまで運用であり、
法的義務とは別物です。
もう一つ、注意すべき点があります。
それは、
消防設備使用開始届の考え方が、
自治体によって微妙に異なることです。
とされることがあります。
本来は使用を開始する7日前までに提出とされているものが条例で期間に余裕をもたせた上乗せ条例が札幌市にも存在します。
さらに、実務上防火対象物使用開始届を省略する取扱いがなされることがあるのも特徴的です。
そのため
と扱われるケースがあります。
これは条例というより、
運用の違いによるものです。
つまり、
「他の地域では大丈夫だった」
という話が、そのまま特定の市町村に当てはまるとは限りません。
設置届については、
には、提出が必要です。
ただし、これも
建物規模・用途・既存設備の内容によって判断が分かれます。
着工届は不要だが、設置届は必要
というケースも、実務では珍しくありません。
民泊について、
「知人は簡単に始められた」
という話をよく聞きますが、
それは条件とタイミングが良かっただけの可能性もあります。
さらに、行政もミスをすることがあり「たまたま」通った可能性があります。
当時はよくても後々違反対象物として強く指導を受ける可能性もあることを忘れないでください。
消防法・建築基準法・住宅宿泊事業法や旅館業法は、
一つずつは理解できても、
組み合わさると一気に難易度が上がります。
民泊では、
「言われたから出す」ではなく、
なぜ必要なのかを整理することが重要です。
不要な届出や工事を避けることが、
結果的に時間も費用も守ることにつながります。
そもそも消防設備が必要なのかどうなのかで費用が変わってきます。消防設備会社でも理解していないことが多く、消防署も例外について積極的に教えてくることはまずもってありません。例外を認めることは消防署としてもリスクがある可能性があるためです。
そのため事前に専門家に相談することをおすすめします。
繰り返しますが結果的に費用が安くなる場合もあります。
できる限り費用をおさえて、かつスムーズに民泊を始めたい方はぜひ弊所までご相談ください。
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